広島県(お好み焼き県)にしかない少し変わった条例

まち・ゆめ基本条例(三み次よし市)

私たちは、このまちに住み、歴史を学び、明日を語り、夢をはぐくみ続けてきた。

 

みんながしあわせに暮らし続けられるまちになったらいいなと。

 

いろいろな人といろいろなところで、いろいろな話を聞いたり、話し合った。

 

そうしたら、これからの時代にふさわしいまちづくりの仕組みがほしくなった。

 

みんなも同じ気持ちだった。

 

それでこのきまりが生まれた。

 

このきまりは、みんながまちづくりをしていく、そのみちしるべとなるものです。(前文)

 

「ポエム系」の前文、丁寧語の条文

「まちづくりの仕組みがほしくなった。みんなも同じ気持ちだった」という無邪気な前文を、もしも三次市議会の議員が立案したとすれば寒々しい限りですが、これは15名の市民代表で構成された「まちづくり基本条例検討委員会」で決められたそうで、ホッと一安心。名実ともに、市民による市民のための自治基本条例になったと評価できるでしょう。

 

紹介した前文は、原案の段階で一部が広島弁で書かれていたのですが、わかりやすさを優先してか、最終的には標準語に変更されました。高知市のまちづくり条例は、前文が丸ごと方言で綴られていますし、このあたりは何が正解だと断言できないところ。

 

また、原案の7条2項には「まちづくりへの参加又は不参加を理由として不利益な扱いを受けません」として、まちづくりに協力しない権利を保障する斬新な条文がありました。しかし、市議会から「まちづくりの気持ちに水を差すのでは」との意見が出て、削除されています。

 

成立した「まち・ゆめ基本条例」の中で「まちづくりは、市民のしあわせをめざして進めるものです」と謳う第4条。当たり前のことが書いてあるわけですが、それが当たり前になっていない現代の政治を、さりげなく突っつく意味が込められているのかもしれません。

 

仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)のまちづくり宣言(呉市)

 

仕事を通じて社会へ積極的に参加し、他人に認められ、お金を稼ぐというのは素晴らしいことです。しかし、仕事場に張り付いて働きすぎるのは、全体として見て、決して良い結果をもたらさないと、警鐘を鳴らしています。

 

仕事のしすぎによって、極端な場合は過労死など、心身に過重な負担がかかったり、家庭生活との両立が難しくなったり、夫婦のすれ違いで少子化問題の一因になったり、地域でボランティア活動をする担い手が不足したりするなど、弊害が生じることも指摘されています。

 

「ワーク・ライフ・バランス」という提案は、いわゆる男女共同参画運動の変形ともいわれますが、一方で、金さえ出せばたいがいのモノが手に入ってしまう、便利すぎて成熟しきった現代社会で、いかに毎日を楽しく過ごすのか、個々の人生観を問いかける奥深い宣言です。

 

ヤスリ企業振興条例(呉市)

一般的にあまり知られていませんが、実は広島県の呉市は日本一のヤスリ産地で、全国シェアの95%以上を占めています。

 

この条例は、小規模なヤスリ企業の事業を共同化することによって、経営合理化を推進するもの。共同化した工場には、市が助成金を支出すると定められています。

 

 

おためし暮らし制度に関する規則(廿はつ日か市いち市)

市内への移住などを考えている人(外国人を含む)は、3カ月以内の期間で、家具や電化製品などを備えた施設にて、生活体験を行うことができると定めたルール。

 

廿日市市は、ユネスコ世界文化遺産「厳島神社」がある宮島も含んでいますから、魅力的な「おためし暮らし」になること請け合いです。

 

筆の日を定める条例(熊野町)

全国生産シェアの約8割を占めるという「筆の都」熊野。条例の2条で「筆の日は、春分の日とする」と定められていますから、筆の日は自動的に、会社や学校が休みとなるわけです。

 

また、6条は、「町民は、筆文化の価値と役割を改めて認識し、筆を生活の中に位置づけ、筆の楽しさを味わうよう努めるものとする」として、筆と親しむ努力義務を課していますね。